おもちのあれこれ ~いろいろなお餅のこと~

お餅について

お餅の由来

古くから日本人に親しまれている「お餅」ですが、もとを辿ると東南アジアから稲作とともに伝来したといわれています。
いつ頃から日本でお餅が食べられ始めたのかは正確に分かっていませんが、奈良時代の文献「風土記」などには「餅」が使われていたことから、この時代には既にお餅が食べられていたのかもしれません。

おめでたいとき、なぜお餅?

そんな文献が残る奈良時代から時代が進み、平安時代。
”お正月”や”桃の節句”などの年中行事がきちんと決まり、こうした行事の際にお祝いの食べ物として天皇や貴族に振る舞われ、食べられるようになりました。
現代でもお祝いごとやめでたい晴れの日にお餅が配られたり食べられたりするのは、この名残であると考えられています。

一升餅について

一升餅って何だろう?

お子さまの1歳の誕生日を祝い、これからの健やかな成長を祈る日本の伝統行事です。
「“一生”食べ物に困りませんように」
「“一生”健康で過ごせますように」
との願いを込めて“一升”(約1.8kg)のもち米をお餅にして背負わせたり、抱かせたりします。
地域によって「一生餅」や「踏み餅」、「力餅」と呼ぶところもあります。

立ててもめでたい!立てなくたってめでたい!

一升餅の重さはだいたい2kgくらい。1歳のお子さまにとってはけっこうな重さですので、背負って立てる子、立てない子、嫌がって泣き出す子もいます。
でも立てなくたって大丈夫。一升餅は大切なお子さまの健やかな成長を祈る行事ですので、立ち上がれたときには「身を立てられる」と喜び、転んでしまっても「厄落としができた」と喜べる、まさに「立ててもめでたい!立てなくたってめでたい!」そんな素敵な行事なのです。

鏡餅について

鏡餅ってどうして飾るの?

お正月といえばすぐ連想される鏡餅ですが、何となく飾っているけれど意味や由来ははっきり分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
日本には、年が明けると「年神様」と呼ばれる神様が訪ねてくるという言い伝えがあり、その年神様を家に迎える際に、年神様の居場所となるのが鏡餅です。
鏡餅の形が丸いのは”魂の象徴”であるからとされており、大小2段に重ねた餅は”月”と”太陽”を表し、円満に年を重ねるという意味や、幸福と財産が重なって縁起が良いとの意味が込められております。

どこに、いつまで飾るの?

基本的には鏡餅は床の間にお供えするものとされています。ですが、現代では床の間のない家も多いため、リビングや台所、子供部屋など、年神様に来ていただきたい場所にお供えします。
お供えはじめるのは、末広がりの八を含んだ12月28日が縁起が良いといわれており、お供えを下ろす「鏡開き」は、地域によって異なるため、1月11日~15日あたりで行うのが一般的です。

飾ったあとは…?

鏡餅を飾ったあとは、「鏡開き」をしてお餅を美味しく頂きます。
鏡餅の開き方として、伝統的な「木槌でたたく」や、「お湯で煮る」方法がありますが、縁起が悪いとされているのが「刃物を使って切る」ことといわれています。
ですので、鏡餅を小さく分けたいときにはなるべく木槌を使ったり、手で割るようにするとよいかもしれません。